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女性同士の人間関係の難しさ

2005年07月23日

 人と人との関わり合いは常に難しいものですが、その中でも特に、女性同士の人間関係の難しさ、トラブルの複雑さについて、耳にすることが多いように思います。坂内新生塾においても、女の子同士のメンバー間のトラブル、あるいはスタッフとメンバー間のぎくしゃく、またまた、相談にみえた母親から語られる母親自身が抱える問題のひとつとして、女性同士の関係の在り方に向かい合うことは避けて通ることのできないテーマのように感じています。そこで、今号では管佐和子著『彼女がいじわるなのはなぜ?女どうしのトラブルを心理学で分析』(とびら社)を読んでいきたいと思います。
 著者は、「・・・世のなか大きく様変わりしてきたとはいえ、まだまだ男性優位の面が多いこの社会では、女性どうしが手を携え、支えあいながら、ともに発展してゆくべきであることは、誰もが感じていることです。ところが実際には、支えあうどころか、「女の敵は女」「女どうしが一番むずかしい」といった言葉がけっして死語になっていないのが現実ではないでしょうか。その理由を、女性自身(また人間自身)の備える性質に求めるか、あるいは、さまざまな面で社会的弱者の立場に置かれてきた結果とみるか、いろいろな考え方がありましょう・・・ただ、私たちがはっきりと直視すべきことは、「女性が手を携えて歩んでゆくのは簡単なことではない」という現実が確かに存在している、ということです。カウンセリングの場を訪れる方々のなかにも、この問題に傷つき、悩んでいるケースがたくさんあります・・・「女性どうしが気持ちよく支えあって生きてゆけるようになるには、お互いがどのようなことを認識しておけばよいのだろうか・・・」というテーマを追求したくなりました。そのためにはまず、「なぜ、女たちが傷つけ合う事にならざるを得ないのか?」ということについて、さまざまな立場から切り込んでみる必要を感じました・・・」と、切り出しています。女どうしというと、たとえば友達どうし、職場の同僚OL、嫁姑、母娘、姉妹・・・とたくさんの関係が浮かび上がることでしょう。この女性どうしがさまざまな場面で繰り広げる確執について、14人の物語として、相談の手紙の形で示されています。そして、この14編に対して、男女ひとりずつの心理療法家が解釈を行っています。読んでいきますと、これらの物語には、嫉妬・羨望・競争心といったテーマが潜んでいることに気づきます。それを主題に物語を作ろうと意図したというより、日常生活の中でよく目につく問題を取り上げていくと、どうしてもそうなってしまったそうです。
 例えば・・・
?去年は仲良しだったのに・・・
新学期のクラス替え後、仲良しだったクラスメイトの態度が急変。手のひらを返したように冷たくなった彼女の心理とは? 
?女王蜂は自分だけでいいの?
見事キャリアアップした憧れの先輩OLが後輩の昇進の邪魔をするのはなぜ?私たち、先輩を応援していたのに!
?セクハラも贔屓のうち?
職場じゅうが迷惑していたセクハラ上司を組合に直訴。ところが、困っていたはずの同僚OLたちに総スカン。どうして???
「去年は仲良しだったのに・・・」への女性サイコロジストのコメントで、「いちばん怖いのは友だち」という章題がついています。「・・・今年大学を卒業して社会人となった女性が言うには、これまでの学生生活の中で、仲間との人間関係にもっとも気をつかっていたのは中学校時代で、高校、大学と上へ行くにしたがってだんだんとその必要がなくなってきたとのことである。おそらくこれが一般的なのだろう。そういえば昨日スクールカウンセラーへ相談に来たある女子中学生は次のように語った。「先生なんかぜんぜん怖くない。怖いのは友達。怒らせると、仲間を使って何を仕掛けてくるかわからないもん。先生はそんな仕返しをしてこないのわかっているから、怒られたって平気なの」。中学校では毎春、学年が変わると同時にグループつくりが始まる。そのときたまたま風でもひいてしまい、仮に一週間も学校を休んだりしたものなら、その一年を棒に振ることにもなりかねない。たとえその子がこれまでリーダーシップをとっていたとしても、新しい別のリーダーが存在し、旧リーダーは格下どころか独りぽっちにされ、これまでのプライドの置き場がなくなってしまう。上昇したり転落したりの可能性は、リーダー格だけでなくどの子にもあり、みんな「自分の立場がいつどうなるかわからない」不安に脅えている。グループの中では仲間の機嫌を損ねないように、言葉や行動や、果ては持ち物に至るまで、気を使っていなければならない。個性が強すぎてはいけないし、また弱すぎてもいけない。これは要するに便宜上の契約関係のようなものなので、学年が変わればそのグループも解散する。特に女子。独りでいると、変な子、暗い子と思われてますます孤立してしまう。たとえ仲良しを見つけて二人でいても、なにかの事情でその子がいなくなることもあるか考えると、スペアがないと不安で仕方ない。そして、その不安を間接的に相手への怒りとして持っている場合もある。お互いに「この子は私がいないと困るから、私を頼っているんだわ」などと思っており、グループからはじかれた似た者どうしの傷を抱えているものだから、お互いに、相手の中に自分の情けなさを見てしまうのである・・・」
これは、女性どうしの付き合いのほんの一部ですが、女性ならば皆が「あるある!」と思わず頷いてしまうくらいに身近に経験してきた思いではないでしょうか。その一方で、男性からすると、女性どうしの中でこのようなこぜりあいが常時行われているとは露知らず、驚きをもって受け取られるかもしれませんし、あるいは男どうしも案外変わらないなぁと思われるかもしれません。女どうしだけではなく、人間どうし、もう一度改めてその関わり方を見つめ、もっと上手につきあっていくための一助となりますように。


NEET(ニート)への取り組み

2005年07月23日

2004年は、流行語大賞にNEET(ニート)という言葉がノミネートされました。NEET(ニート)とは、Not in Education,Employment or Trainingの頭文字を取ったもので、教育や就労、あるいはそのための訓練過程に属さない、いわゆる社会から引きこもっている人々を意味します。厚生労動省が9月に発表した数は、52万人。2010年には、100万人規模に膨らむという試算もあります。NEET(ニート)は若者の犯罪との関連で社会問題として取り上げられることがたびたびありましたが、それ以上に、これほどの人的資源が活用され得ずに埋もれており、そのために被る日本の様々な不利益は甚大であろうという問題が見えてきます。今号では、いち早くNEET(ニート)に警鐘を鳴らした、宮本みち子著『若者が<社会的弱者>に転落する』(洋泉社)を読んでいきます。
この問題を国が取り上げ始めたのは
・・・モラトリアム期を謳歌する青年が増加する一方で、社会のリアリティから逃走する若者も増加する。平成元年度(1989年)の青少年白書は、若者の「反社会的行動」から「非社会的行動」へと関心を移した。青少年対策本部が、「社会への反抗」より、「社会からの逃げ」のほうがより厄介な問題になったことを公認したのがこの頃である。・・・今、若者の社会的基盤は徐々に変貌しつつある。しかし、その事実に対する認識は遅れている。
そして、その原因について
・・・これら社会のリアリティからの逃走は、”子どもがおかしい””若者が変わった”と見なされがちであるが、むしろ彼らの育つ過程で、家庭、学校、地域、その他あらゆる環境状況の変化の累積がこの転換をもたらしたのだ。成人期への移行期にさしかかったこの世代は、労働市場への参入、結婚市場への参入の二つの時点で、従来のようにスムースには移行をしなくなった。それは現在、”現実社会への参入に困難を抱える層”ができつつあることにつながっているように思われる。このような問題についても、親に”パラサイト”したり、労働意欲のない若者の「甘えの構造」にもっぱら原因を求める傾向が強く、若者をとりまく社会経済構造の変貌への気づきは弱い。転換期にある若者をどのように支援したらよいかを考えるよりは、若者パッシングになりがちなのが近年の特徴となっている。
われわれ大人は
・・・彼らに『早く大人になれ』というべきなのか、それとも別の生き方を期待すべきなのだろうか。これまでの価値観が無力化する中で、どんな選択肢がありうるのか、何が彼らにとって有益な援助なのか。この問に即座に解答を出せる者は誰もいない。子どもへの執着を断ち切り、成人年齢に達したら自立すべしと突き放そうにも、いまやスムースに社会に移行できるあてはない。周囲を見渡せば、就職できない子ども、就職したのにさっさとやめてしまった子ども、いつまでも結婚しない子ども、結婚後も依存する子ども、つまずきから引きこもる子どもを抱えて悩む親など、事例には事欠かない。しかも、問題の解決は当事者にゆだねられ、誰も助けてくれないという現実がある。高齢者福祉の貧困どころではない、若者の支援制度は日本ではまだ空白に等しい・・・若者の自立に関して「家族」と「会社」だけに委ねてきた日本の社会は、この危機に際してあまりにも反応が鈍い。当事者は若者や親であるといわんばかりで、検討の場ももたず、もっとも緊急を要する教育の転換や支援政策へとつながってかない。流動化と多様化の時代がもう始まっていて、誰もが不安にさらされているが、若い世代ほど厳しい状況に置かれているのだ。次代を託すのは彼らしかいないのに、現実への認識も生きていく力も社会に参加するチャンスも持たせない。この社会構造の中で、彼らはすでに社会的弱者である。今の社会をかたちづくる者全てが、当事者として支援にあたらなければ、明日の日本は破綻する・・・子どもたちが親とは全く違う時代を生きていかねばならないことに、親世代は十分気づいているとはいいがたい。いつまでも子どもを親の庇護の元に置くことができないのなら、社会が若者に新しい自立の条件を与えなければならない。


  • 過日より充足していました男子寮ですが、空き部屋の調整ができましたので、相談させていただきました方から、ご希望があれば順に九月十三日(水)以降から受け入れをさせていただきます。

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