重要なお知らせ
現在、男子寮の定員が充足しましたので、今年度の寮生ご希望の転入につきましては空き状況が出来次第、HPでお知らせします。
なお、引き続いて男女通学生及び、女子の寮生については受け入れをしています。
寮生活の1日の流れ

「生活管理スキル」を育てているのは寮生活だと、自信をもって言えるところです。
寮生と通学生の卒業時の状態を比較したところ(対応のないt検定を実施)、全ての要因において、寮生のスキルポイントが有意に高いという結果も出ています。
西濃学園は、寮生活のできる唯一の特例校ですが、寮生活という教育環境が「生徒の社会的自立に、意義の大きいこと」を知っていただきたいと思います。
はじめに西濃学園の寮生活を紹介します。起床から就寝までの大まかな流れです。


すばる寮

ほくと寮
午前7:00 起床

起床後、自主的に校舎の清掃をしてくれる生徒もいます。
起床は、午前7時です。起床して自主清掃をする生徒もいます。また、生徒間同士で起床を促し合う光景も見ることができます。

寮には個室と相部屋があり、個々に応じて変更します。
朝が起きられると言うことはその時の状態を図るバロメーターとも考えられ、起床は大切なポイントであると言えます。
午前7:30 朝食

朝食を食べずとも、起きて食堂に来ることを推奨しています。
朝食は、午前7時半です。中には「食欲がない」と訴える生徒もいますが、朝食を食べずとも、食堂に降りてくることを奨励しています。
午前8:40 授業

毎日の授業に出席する大切さを考えています。
授業は、午前8時40分~午後3時。ただし中学校と高校ではやや異なっております。
規則正しい生活習慣と毎日の授業に出席する大切さを日々相談し考えています。
授業後は部活動や自由時間として過ごしています。
また、授業後から携帯やゲームも自由としています。
午後8:00 入浴

毎日行く温泉は地域の方々とのコミュニケーションの場にもなります。
午後6時より夕食を取り、その後、近くの温泉へ入浴に行きます。温泉は公共の場のマナーについて考える場、また、地域の方々との交流の場にもなっており、ただ入浴をすると言うことだけではく、子ども達にとって大切な役割となっています。
午後10:50 携帯電話やゲームの回収

携帯・スマホなどは、年上の仕事として回収を促しています。
午後10時50分には全生徒の携帯電話、スマホ、ゲーム機の回収を行います。年長者が呼びかけて行うことで、その役割の大変さや集団生活の規則について改めて感じてくれるものとなっています。
消灯時間より早く寝たいと言う生徒につきましては、就寝する前に自分で提出するようにしています。
寮生活の経験から得られるもの

ここで事例を紹介したいと思います。
彼女は、現在は専門学校生ですが、中学1年生の秋に西濃学園へ転入し、5年半をこの学園で過ごし、高校を卒業しました。入学時は、衛生の概念に乏しく、夜はゲームがしたいのでお風呂に入らず、また、言われて入ったとしても雑な入り方のためよく悪臭がしていました。
歯磨きをはじめ、身体を清潔に保つことから指導をしなければなりませんでした。部屋の片付けも全くできず、彼女とは相部屋になりたくない、という声もよく聞きました。
彼女には、女子職員が中心となり、総出で、彼女の生活管理の指導を行いました。その結果、卒業の頃には、髪が見苦しくないかを気にするようになり、またダイエットに取り組むこともできるようになりました。
「以前はどこへ行くのにも誰かと一緒にいないと不安だったけど、寮生活をしたことで自分でやらなければいけないと言う気持ちになった」との感想もありました。
現在は一人暮らしをして一年が経とうとしていますが、一人暮らしができていること自体が成長の証ではないかと思っています。

部屋の掃除や洗濯も寮生活では重要な意義があります。
寮生活を通して、自分の部屋の掃除や洗濯なども自分で行わなければならないという自覚と経験を積む場となっています。

同じ寮生と共に生活をして、毎日のリズムを作ります。
寮生活では同じ寮生と共に生活をすることで、毎日の生活リズムを「集団」で作っていくことができます。

職員と生徒が語り合う場となっている女子寮の様子です。
寮生活は、子ども達にとって不自由な事もありますが、生徒同士が同じ楽しみを共有できる場であったりと、貴重な経験の場になっていくものと思います。
午後11時には生徒は全員、自室に戻り消灯をして就寝をします。また、様々な個所で先輩や部屋長と位置付けている係の役割も、規則正しい生活を作っていくために大きな意味を果たしてくれます。
自主清掃のはじまり
学園長は毎朝、出勤すると、校舎内の清掃活動をしていました。生徒たちが起き出す前にトイレや洗面所など、生徒たちが気持ちよく使えるようにと続けてきました。
そんな学園長の姿を見たある生徒が“僕も手伝いたい”と自主的に朝早く起きて、清掃活動を始めました。 すると、彼の姿を見ていた他の生徒たちにも自主清掃の輪が広がり始めました。
今では、自主清掃管理ボードが作られ、生徒たちは寝る前に自分が掃除したい場所に名前を書き、自主清掃を行なってくれています。自主清掃をすることで清々しい気持ちで1日を過ごすことができ、日々続けることで、物事をすぐに投げ出さないような継続力が身につきました。
自主清掃は強制ではありません。やっている生徒の姿を見て、その生徒の心の変化を見て、「私もやってみよう」と輪が広がっていくのです。いつかは「掃除のない学校」を目指して。

現在では、掃除以外にもストーブの灯油の補充や、空き缶やペットボトル等のごみ回収や、ハンドソープやハンドペーパーの補充なども生徒自らの意志で行ってくれています。
途中で辞めても「一人でゆっくり寝ているより、みんなと掃除をやった方が気持ちいいし、自分もすっきりするから」と言って再開する生徒もいました。協働と責任の本質に触れた言葉だと思います。
こうした生徒の自主的な清掃活動が「教育環境」になると考えます。

就寝前に清掃場所を自分たちで決めています。
現在は、高校生を中心に行われています。掃除場所の枠組みの印されたホワイトボードを利用して、就寝前にそれぞれが重ならないように清掃場所を自ら決め、起床後、掃除をします。

生徒の考えた自主清掃用ホワイトボード。
このボードも生徒が考えて作りました。当初は学園長や他の職員の手伝いをしたい、しかし邪魔はしたくないと言う善意の気持ちから作られたものです。
自主学習のサポート
消灯までの時間、談話室でゲームをしたり、自室で本を読んだりと生徒たちは様々な時間を過ごしています。また、消灯までの時間を使って、勉強をしている生徒もいます。英語検定や漢字検定対策から受験勉強まで、一人一人が目標を持って自主的に行なっています。またその日の宿直スタッフもサポートしています。
やってもやってもできないのが勉強。でも諦めたら振り出しに戻ってしまう。たとえ小さな一歩でも歩き続けるからこそ進路が拓けてきます。
大切なことは逃げないこと。進学、就職、それぞれの明日のために挑戦し続ける生徒を西濃学園は応援しています。

藤橋の星空

藤橋の雪景色